ウールのマイクロンについて。新基準?エクストラファインメリノとは?

繊維のお話
この記事を書いた人
けー@イタリア毛糸メーカー代理店マン

イタリア毛糸メーカー代理店歴約10年。
大学卒業後イタリアに渡り現地の毛糸メーカーに住み込みで毛糸を学び始めました。工業用毛糸専門です。高級ブランドが愛用する毛糸メーカーを担当し、最新の毛糸トレンドや工業用毛糸の情報を発信しています。

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ウール繊維の等級:マイクロンとは?

 

ウールは繊維の細さ、長さで等級が分かれています

 

マグロで赤身、中トロ、大トロと部位によって価値や等級が異なるように

ウール繊維も等級が分かれており、繊維が細く、長いほど高級になります。

 

※ウール以外の繊維については過去の投稿からご覧いただけます↓

 

 

ウール繊維の等級表

±0.25までは許容範囲とされていますが一般的には下記のように小数点以下の0.5刻みで表記されることが多いです。

 

19.5マイクロン

18.5マイクロン

17.5マイクロン

16.5マイクロン

15.5マイクロン

14.5マイクロン

 

情報引用元

調べるにあたりウール繊維に関する国際的な機関、団体の2社の情報を引用いたしました。

 

(International Wool Textile Organisation:国際ウール繊維機構)

引用:https://iwto.org/

 

IWTO(International Wool Textile Organisation)は、国際ウール繊維機構と呼ばれ、
国際的なウールのテキスタイル関連の組織です。

世界中のウール産業の代表団であり、ウール製品の生産、貿易、技術的な側面に関するさまざまな問題に焦点を当てています。つまり、ウールの加工、取引、技術革新などに関する国際的な協力と情報交換のプラットフォームです。

 

IWTOの資料

こちらは2020年にIWTOが発行した
“A summary of wool textile information, including notes and interesting wool facts”
という資料から抜粋した表です

資料⇓

 

 

Woolmark Company(ウールマークカンパニー)

引用:https://www.woolmark.jp

 

Woolmark Companyは、ウール製品に対する品質と信頼性の認証を提供する団体であり、
IWTOのメンバーでもあります。

彼らは、自社の認証プログラムを通じて、高品質で天然、再生可能かつ生分解性のウールでできた
製品を消費者に提供する企業や製造業者を認定しています。

 

 

Woolmark Companyの資料

引用サイト⇓

 

過去の基準との比較

2018年のウールマークカンパニーの商標タグです。

この時点ではエクストラファインメリノは19.5マイクロン。

そしてウルトラファインメリノは17.5マイクロンとなっています。。

 

 

2020年(?)あたりで基準の変更があったかと思われ、現在、”エクストラファインメリノ”という呼び名は14.5マイクロン以下の細さという最高ランクの名前になっています。

カシミヤの繊維の細さは16~14マイクロンといわれていますが、
これはつまりエクストラファインメリノというランクはカシミヤと同等かそれ以上の細さのウールになります。

 

最後に

ウールマークカンパニーやIWTO(国際ウールテキスタイル機構)の基準がいつ変更になったのかはわからないのですが、エクストラファインメリノは最高ランクのウールとなっています。

 

私が調べた限りでは基準変更のアナウンス等は特に見当たらなかったのです。
今現在(2024年)でも多くで19.5マイクロンは”エクストラファインメリノ”という表記なのでもし基準変更の公式なアナウンスをご存知の方いらっしゃったら教えていただきたいです。。。

 

それではまた次回の投稿でお会いしましょう。

けー

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